雪どけに・・・




雪どけの中から 春を待つ
雪深くその土に根をおろして
じっと耐え忍ぶすみれ草

春の風の中に 誰知らず
野に咲く すみれの花
春の光り 浴びて
お日さまへ 僕等も共に顔を上げる

すみれの花 薄紫に
僕等は 微笑む
すみれの新しい蕾に笑顔こぼれる

生命がある喜びを
春を待つ生命の喜びを
僕等はいつも 日々の中で
ふゆの雪どけをまっている
今日も待っている


雪の中で 土の温かさと つめたさ
人の肌に突き刺すような 冷たい風が吹く
雪をかきわけて 白い道を歩いた昔の僕等
春とおく待ちわびながら 歩いた道がなつかしい

春、雪どけ氷水が春の土に流れて
根を下ろしたすみれ草 蕾から
あたらしい 大地に 花を咲かす
薄紫の花が顔みせて
僕等の心に春を告げる

冬の寒さに耐えた 生命 いっせいに芽吹く
新緑の春若葉の薄緑
どんな世界にいても四季は訪れ
僕等は生きていく

いのちが生まれ いのちが消え
そんな話が聞こえてきても
生まれてくる生命喜び
明日をこの足で歩き春を待つ

すみれ草の薄紫の花に
僕等は導かれてすみれ草のように
春を待つその心 忘れずに 歩んで今日も
僕は生きて行きたい






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